駅近くの由緒ある太子堂八幡神社

お洒落な街として若者に人気の三軒茶屋界隈は、商店街を少し離れると落ち着いた風情の住宅街が立ち並び、その所々に歴史ある建造物が多く残るのが特色。

三軒茶屋駅から一つ隣の西太子堂駅を下車して北へ進むと、やがて大きな鳥居をがそびえ立つ太子堂八幡神社が見えてくる。

太子堂八幡神社は、安土桃山時代の創建で、現在の社殿は昭和初期の建築という由緒ある建物。太子堂界隈の元締めの神社であり、秋祭りなどには数多くの露店が立ち並び賑わいを見せる。

境内には昨今あまり見かけなくなった広々とした公園があり、周囲にこんもりと茂った木々に程よく陽射しが遮られて落ち着いた空間を生み出している。

公園内には、これも最近見かけなくなったブランコやジャングルジムがあり、普段学校帰りの子供で賑わうほか、大人にとっても子供心に還れる時間を過ごせる場所となっている。

参拝の際頂くことの出来る御朱印は、月ごとに異なる、カラフルでなんとも可愛らしいもの。また境内でうさぎも飼われていて、訪れる人の心を和やかなものにさせてくれる。

2017年の暮れも押し迫ったこの時期、筆者がふと訪れると、古くなった様々の日用品を焚き火にくべて炊き上げ供養をやっていた。

普段見かけない光景だけにしばらく見入ってしまったが、周りにものが溢れ、いらなくなればすぐに捨ててしまう風潮のはびこる現在、使い古した日用品に感謝を込めて供養する人々の姿に、失われた日本の心を垣間見た気がした。